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日本の神々-古事記編-垂仁天皇-後

ここでは垂仁天皇とその配偶者たちについての記述をまとめる

  美知能宇斯王の娘たち

  垂仁天皇は沙本毘売命(サホビメノミコト)の言葉の通り、美知能宇斯王(ミチノウシノミコ)の娘、比婆須比売命(ヒバスヒメノミコト 氷羽州比売命、おそらく兄比売のこと)弟比売(オトヒメ)歌凝比売命(ウタコリヒメノミコト)円野比売命(マトノヒメノミコト)の四人を召し上げたが、歌凝比売命と円野比売命に関しては、容姿が醜いとして親元の丹波へ送り返してしまった。

  円野比売命は、このことが世間の耳に入ることを恥じて、家路の途中の山城国相楽(サガラカ 京都府相楽郡)で首を吊ろうとし、その後の乙訓(オトクニ 京都府乙訓郡周辺)という場所で淵に落ち死んだ。

  相楽と乙訓(当時は弟国)の地名はこの話が由来であり、それぞれ懸木(サガリキ)と堕国(オチクニ)の転化である。

  時じくのかくの木の実

  垂仁天皇は多遅摩毛理(タジマモリ)に命じて、常世国にあると言われた時じくのかくの木の実(四季を通じて実る香り高い木の実 橘のこととされる)を取りに行かせた。

  多遅摩毛理は常世国を辿り着き、冠のように葉の茂った枝を八本、葉を取り除いた枝を八本、実の付いた状態で持ち帰ったが、そのときには既に垂仁天皇は崩御していた。

  多遅摩毛理は大后である氷羽州比売命(比婆須比売命、おそらく兄比売のこと)に半分、天皇の御陵の入り口にもう半分を献上し、そこで帰還の報告をして、そのまま泣き叫んで死んだ。

垂仁天皇の配偶者

・左波遅比売命(サハジヒメノミコト)

  日子坐王(ヒコイマスノミコ)沙本大闇見刀売(サホノオオクラミトメ)の三番目の子で、開花天皇の孫、垂仁天皇の后

  垂仁天皇を夫にして、品牟都和気命(ホムツワケノミコト 本牟智和気御子)を生んだ

  初出時(開花天皇の段)と沙本毘古王の反逆の段では、沙本毘売命(サホビメノミコト)の名で登場する

  沙本毘古王の反逆

  自身の兄である沙本毘古王(サホビコノミコ)の統治権簒奪計画に協力し、夫である垂仁天皇を刺殺しようとするも失敗する。その後、垂仁天皇に全て打ち明け、垂仁天皇と沙本毘古王の間で戦いが発生した。

  沙本毘売命は兄の陣に入り、このことによる膠着状態の中で本牟智和気御子(品牟都和気命)を生んだ。沙本毘売命は御子を取りに来た垂仁天皇の使者に連れていかれそうになったが、垂仁天皇が御子だけでなく自分も連れてくるように命じることを予想しており、対策を講じていたため、使者たちは沙本毘売命を敵陣から引っ張り出すことができなかった。

  垂仁天皇と三度言葉を交わした後、遂に攻勢に出た垂仁天皇の軍勢との闘いの中、死亡した。

  →詳細は垂仁天皇-前の記事の沙本毘古王の反逆の段へ

・氷羽州比売命(ヒバスヒメノミコト)

  開花天皇の曾孫である美知能宇斯王(ミチノウシノミコ)の娘

  この段では氷羽州比売命比婆須比売命と複数の名前で登場した

  詳しくはこちらへ

兄比売(エヒメ)

  上の姫、姉という意味をもつ

  以下分岐

  氷羽州比売命(ヒバスヒメノミコト 比婆須比売命のこと、垂仁天皇の后)

  兄比売(エヒメ 神大根王の娘)

・弟比売(オトヒメ)

  下の姫、妹という意味をもつ

  以下分岐

  弟比売命(オトヒメノミコト 垂仁天皇の后)

  弟比売命(オトヒメノミコト 景行天皇の子)

  弟比売(オトヒメ 神大根王の娘)

・沼羽田之入毘売命(ヌバタノイリビメノミコト)

  開花天皇の曾孫である美知能宇斯王(ミチノウシノミコ)の娘で、氷羽州比売命(ヒバスヒメノミコト 比婆須比売命、※兄比売のこと)の妹

  垂仁天皇を夫にして、沼帯別命(ヌタラシワケノミコト)伊賀帯日子命(イガタラシヒコノミコト)を生んだ

  兄比売(エヒメ)もしくは弟比売(オトヒメ)の可能性がある(詳細)

・阿邪美能伊理毘売命(アザミノイリビメノミコト)

  開花天皇の曾孫である美知能宇斯王(ミチノウシノミコ)の娘で、氷羽州比売命(ヒバスヒメノミコト 比婆須比売命、※兄比売のこと)と沼羽田之入毘売命(ヌバタノイリビメノミコト)の妹

  垂仁天皇を夫にして、伊許婆夜和気命(イコバヤワケノミコト)阿邪美都比売命(アザミツヒメノミコト)を生んだ

  兄比売(エヒメ)もしくは弟比売(オトヒメ)の可能性がある(詳細)

・迦具夜比売命(カグヤヒメノミコト)

  大筒木垂根王(オオツツキタリネノミコ) の娘で、開花天皇の曾孫

  垂仁天皇を夫にして、袁邪弁王(オザベノミコ)を生んだ

・苅羽田刀弁(カリハタトベ)

  山城大国之淵(ヤマシロノオオクニノフチ)の娘

  垂仁天皇を夫にして、落別王(オチワケノミコ)五十日帯日子王(イカタラシヒコノミコ)、伊登志別王(イトシワケノミコ)を生んだ

・弟苅羽田刀弁(オトカリハタトベ)

  山城大国之淵(ヤマシロノオオクニノフチ)の娘で、苅羽田刀弁(カリハタトベ)の妹

  垂仁天皇を夫にして、石衝別王(イワツクワケノミコ)石衝毘売命(イワツクビメノミコト)を生んだ

・山城大国之淵(ヤマシロノオオクニノフチ)

  苅羽田刀弁(カリハタトベ)弟苅羽田刀弁(オトカリハタトベ)の父で、垂仁天皇の義父

 

 

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