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日本の神々-古事記編-伊邪那岐・伊邪那美神-後

  神生み-黄泉国  

  いくら時間が経っても伊邪那美の死の悲しみは薄れず、伊邪那岐は伊邪那美のいる黄泉国(ヨモツクニ 死者の世界)に訪ねていき、その御殿の戸口で伊邪那美に地上に帰ってきてほしいと頼んだ

  しかし伊邪那美は黄泉戸喫(ヨモツヘグイ 黄泉国の火と水で作った食物を食べること)をしてしまっていて、簡単には帰れないので、黄泉国の神にその事を相談することにし、伊邪那岐はその間、外で待っているように言われた

  しかし伊邪那岐は長い待ち時間に耐えきれなくなり、左側に結った髪に挿していた〔角髪(ミズラ)という髪型だったので挿せた〕爪櫛(目の細かい櫛)の端の歯を折り、火を灯して中に入った

  そこで伊邪那美の蛆が集り醜く腐り果てた姿とその身体から生まれ出ている八雷神(ヤツイカヅチノカミ)を見て、伊邪那岐は恐ろしくなり逃げ出した

  以下八雷神

  ・大雷神(オオイカヅチノカミ)

  ・火雷神(ホノイカヅチノカミ)

  ・黒雷神(クロイカヅチノカミ)

  ・拆雷神(サクイカヅチノカミ)

  ・若雷神(ワカイカヅチノカミ)

  ・土雷神(ツチイカヅチノカミ)

  ・鳴雷神(ナルイカヅチノカミ)

  ・伏雷神(フシイカヅチノカミ)

  これに怒った伊邪那美は黄泉国の神、女神、軍に命じ伊邪那岐を追いかけさせた

  まず黄泉醜女(ヨモツシコメ 黄泉国の死の穢れを纏う醜い女神)たちが追いかけてきたので、伊邪那岐は、黒い蔓草の鬘(カズラ)(髪飾り)と右側に結った髪に挿していた爪櫛の歯を折って投げ、それぞれ野葡萄とタケノコに変えて、女神たちがそれらを食べている間に逃げた

  次に伊邪那美は八雷神に千五百(チイオ 大勢)の軍隊をつけ後を追わせ、伊邪那岐も十拳剣(トツカツルギ)を持ち、軍隊と目を合わせないようにしながら対抗し、黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ 黄泉国と地上の世界の境)の麓に着いた

  そこで伊邪那岐は坂の麓に生えていた桃の実を三つ使い、黄泉国の軍を打ち払った

  これにより、桃は伊邪那岐から意富加牟豆美命(オオカムヅミノミコト)という名と、葦原中つ国(アシハラナカツクニ)の人を助けるようにとの命とを与えられた

  伊邪那美は軍による追跡が失敗したことを知ると、自ら伊邪那岐を追ってきたので、伊邪那岐は黄泉比良坂の中心に大岩〔道返大神(チガエシノオオカミ)と呼ばれる〕を置いて坂を塞ぎ、その岩越しに夫婦の契りを解くと言い渡した

  それを聞いた伊邪那美は伊邪那岐の国(伊邪那岐と伊邪那美で作った国  葦原中つ国のこと)の人々を一日に千人殺すと言ったが、伊邪那岐はそれならば一日に千五百人生むと言い返し、地上に帰った

  神生み-禊ぎ祓い

  その後筑紫国の阿波岐原(アワギハラ)で黄泉国での穢れを祓うため、その中流の瀬(浅く流れが速いところ)で禊ぎ祓い(ミソギハライ)を行った

  以下禊ぎ祓いのために投げ捨てたものから生まれた神を時系列で示す

  ・衝立船戸神(ツキタテフナドノカミ)

  ・道之長乳歯神(ミチノナガチハノカミ)

  ・時量師神(トキハカシノカミ)

  ・和豆良比能宇斯能神(ワヅライノウシノカミ)

  ・道俣神(チマタノカミ)

  ・飽咋之宇斯能神(アキグイノウシノカミ)

  ・奥疎神(オキザカルノカミ)

  ・奥津那芸佐毘古神(オキツナギサビコノカミ)

  ・奥津甲斐弁羅神(オキツカイベラノカミ)

  ・辺疎神(ヘザカルノカミ)

  ・辺津那芸佐毘古神(ヘツナギサビコノカミ)

  ・辺津甲斐弁羅神(ヘツカイベラノカミ)

  以下禊ぎ祓いの儀式の時に生まれた神を時系列で示す

  ・八十禍津日神(ヤソマガツヒノカミ)

  ・大禍津日神(オオマガツヒノカミ)

  ・神直毘神(カムナオビノカミ)

  ・大直毘神(オオナオビノカミ)

  ・伊豆能売神(イズノメノカミ)

  ・底津綿津見神(ソコツワタツミノカミ)

  ・底筒之男命(ソコヅツノヲノミコト)

  ・中津綿津見神(ナカツワタツミノカミ)

  ・中筒之男命(ナカヅツノヲノミコト)

  ・上津綿津見神(ウワツワタツミノカミ)

  ・上筒之男命(ウワヅツノヲノミコト)

  ・天照大御神(アマテラスオオミカミ)

  ・月読命(ツクヨミノミコト、ツキヨミノミコト)

  ・建速須佐之男命(タケハヤスサノヲノミコト)

  伊邪那岐は最後に生まれた天照大御神・月読命・建速須佐之男命の三柱に、それぞれ高天原(タカマノハラ 天上界)夜之食国(ヨルノオスクニ 夜の世界)、海原の統治を委任した

  また高天原を任せた天照大御神には自身の着けていた玉の首飾り〔御倉板挙之神(ミクラタナノカミ)〕を授けた

・伊邪那美神(イザナミノカミ)

  女性神であり、伊邪那岐神(イザナギノカミ)の妻

  神代七世(カミヨナナヨ)の七代目

  国生み、神生みを行い地上の基礎を作った神

  国生み後の神生みの途中、火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)を生んだときに、女陰(ホト 女性器)を焼かれたことが原因で病死し、伊邪那岐の手により出雲国と伯伎国(ホウキノクニ 鳥取県)との境にある比婆之山(ヒバノヤマ)に埋葬された

  その後黄泉国(ヨモツクニ)まで迎えに来てくれた伊邪那岐が、伊邪那美の姿を見た途端逃げ出したので様々な手を使って追いかけたが、最終的に黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)巨岩越しに夫婦の契りを解かれた

  黄泉津大神(ヨモツオオカミ)、また伊邪那岐に遅れて黄泉比良坂に着いたことから道敷大神(チシキノオオカミ)ともいう

  →詳細は伊邪那岐前(国生み・神生み)後(黄泉国)を参照

 

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