オレンジ

易(二十五)-周易六十四卦-蹇・解

六十四卦(十九)

詳しい前書きは易(六)を参照

本文の構造としては、性質の部分がその卦の性質つまりその卦に対応する物事の性質を表し、の部分が該当する物事への総合的な対処方法、の部分は卦の性質の構成物としての性質の詳細情報と、該当する物事への細かい対処方法である。

書き下し文は卦辞、爻辞のみで「中村璋八・古藤友子(1992)『周易本義』明徳出版社」を引用している。しかしその解釈文は、卦辞、爻辞、彖伝、象伝なども参考にしたものであり、また引用文とは異なった書き下し方をして解釈した部分もあるので、書き下し文と解釈文が食い違うことがあるということをご留意願いたい。

またそれぞれの卦の後ろの一言は「丸山松幸訳(1973)『易経-中国の思想第七巻-』徳間書店」の引用である。一言でその性質を分かりやすく示すとして記載したが、私の解釈とは一致していない場合もある。

39.蹇(ケン)蹇(水山蹇 スイザンケン)

  性質

  蹇は進みにくい状況を表す卦である。

  坎の卦が艮の卦に載っている卦であり、先に危険(坎)を見て留まる(艮)ことから、このような性質が表される。

  大象は険しい山と急流で、これも性質の通りである。

  

  ・蹇は、西南に利しく(ヨロシク)、東北に利しからず。大人(タイジン)を見るに利し、貞しく(タダシク)して吉なり。

    ―平坦な西南へ進むのは良いが、険しい東北は良くない。立派な人に教えを仰ぐと良く、蹇の正しい道を守って吉である。(西南は坤、東北は艮 正が多い)

  

  ・初六、往けば蹇み(ナヤミ)、来れば誉れあり。

    ―進めば困難に行き悩み、戻って時を待てば、誉れがある。(不正)

  ・六二、王臣蹇蹇(ケンケン)たり。躬(ミ)の故(コト)にあらず。

    ―君主の臣下は王のために思い悩む。欠点があろうとも咎めをうけることはない。(九五と中正、正)

  ・九三、往けば蹇み、来れば反る。

    ―進めば艱難に遭って行き悩むが、退けば仲間は喜び安泰である。(正で、坎を前にして留まる)

  ・六四、往けば蹇み、来れば連なる。

    ―進めば艱難に遭って行き悩む。戻って来れば人と連携することができる。(正)

  ・九五、大いに蹇むも、朋来る。

    ―大いに悩み苦しむが、友人が来て手助けをしてくれる。(六二と中正)

  ・上六、往けば蹇み、来れば碩い(オオイ)なり。吉なり。大人を見るに利し。

    ―進めば艱難に遭って行き悩むが、退けば大きな功績を挙げる。成功は確実で、立派な人に会うのが良い。(卦の極致で進む場所はない)

40.解(カイ)解(雷水解 ライスイカイ)

  性質

  解は解けることを示す卦である。

  坎の卦に震の卦が載っている卦であり、艱難(坎)の中から動き出る(震)ことから、このような性質を示す。

  大象は雷が鳴り雨が降り注ぐことである。これは春雷と春雨を指し、厳冬から抜け出し動き始める春を象徴する。

  

  ・解は西南に利し。往く所なければ、それ来り復つて吉なり。往くところあれば、夙く(ハヤク)して吉なり。

    ―平坦な西南の方角が良い。行くべき場所がないのなら戻るのが吉で、往くべき場所があるなら早急に行ってくるのが吉である。〔西南は坤 悩みが解決した(解けた)そばから新たな艱難に首を突っ込むべきではない〕

  爻

  ・初六、咎なし。

    ―咎めを受けるようなことはない。(九四と正応、また九二との位置も良い)

  ・九二、田(カリ)して三狐を獲、黄矢を得たり。貞しければ吉なり。

    ―狩りに出向き、三匹の狐と黄金の矢を得る。中道を守れば吉である。〔小人を退治し、中道(黄色は中央の色)を得る〕

  ・六三、負い且つ乗り、寇の至るを致す。貞しくとも吝なり。

    ―荷を背負う人(小人)が分不相応に車に乗る(君子)ならば、盗賊に狙われる。正しい態度を取っていても恥であり、非難を受ける。(不正 小人は負い、君子は乗る)

  ・九四、而(ナンジ)の拇(オヤユビ)を解く。朋至りて斯(ココ)に孚(マコト)あり。

    ―自分の親指を切って、友人と誠意ある交流をする。(不正 応じる初六、比の六三も不正で交流を断つ)

  ・六五、君子維れ(コレ)解くことあれば、吉なり。小人に孚(シルシ)あり。

    ―君子が小人との交流を断てば吉である。小人も誠意を以って退く。(不正 下位の陰爻との交流を断つ)

  ・上六、公、用て隼を高墉(コウヨウ)の上に射る。これを獲て、利しからざることなし。

    ―公侯は城壁に止まっている隼を射る。万事に良い。〔正 解の最上位で非道(猛禽)を解く〕

 

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