オレンジ

易(十九)-周易六十四卦-頤・大過

六十四卦(十四)

詳しい前書きは易(六)を参照

本文の構造としては、性質の部分がその卦の性質つまりその卦に対応する物事の性質を表し、の部分が該当する物事への総合的な対処方法、の部分は卦の性質の構成物としての性質の詳細情報と、該当する物事への細かい対処方法である。

書き下し文は卦辞、爻辞のみで「中村璋八・古藤友子(1992)『周易本義』明徳出版社」を引用している。しかしその解釈文は、卦辞、爻辞、彖伝、象伝なども参考にしたものであり、また引用文とは異なった書き下し方をして解釈した部分もあるので、書き下し文と解釈文が食い違うことがあるということをご留意願いたい。

またそれぞれの卦の後ろの一言は「丸山松幸訳(1973)『易経-中国の思想第七巻-』徳間書店」の引用である。一言でその性質を分かりやすく示すとして記載したが、私の解釈とは合わない場合もある。

27.頤(イ)頤(山雷頤 サンライイ)「養」の道

  性質

  頤は養うことを示す卦である

  震の卦に艮の卦が乗っている卦であり、その卦の形や下が動き(震)上が止まる(艮)ということから顎の動きを表し、顎を動かすことは栄養を摂取し身体を養うことであるため、ここから養うという性質が導かれる

  大象は山の下に隠れている雷であり、養い方を誤れば災いとなることを示している

  

  ・頤は、貞しければ(タダシケレバ)吉なり。頤を観て、自ら口実を求む。

    ―頤の正しい道を行くのなら吉である。何を養うべきかを考え、それを自分の努力で養う方法を考える。(大象は山の下の雷)

  

  ・初九、爾(ナンジ)の霊亀(レイキ)を舎てて(ステテ)、我を観て頤を朶る(タル)。凶なり。

    ―自分の中に霊亀(何日も絶食できる亀)を持っていながら、他人を見て物欲しそうに羨む。貴い行いではなく凶である。〔自らを養うことはできる、しかし六四(他人)に応じる〕

  ・六二、顚(サカシマ)に頤はるれば(ヤシナワルレバ)、経に(ツネニ)払れり(モトレリ)。丘に于て(オイテ)頤はるれば、征きて凶なり。

    ―下の者に養われようとすれば、道理から逸脱する。最上に養われようとすれば、凶である。〔初九(比)に養われようとするか、上九(応じる関係でない)に養われようとするか〕

  ・六三、頤ふに払る。貞なれども凶なり。十年用ふる勿れ。利しきところなし。

    ―頤の道から大きく逸脱し、正しくとも凶である。十年間動いてはいけない。良いことは無い。〔不正で中爻でなく、動く(震)の極致で養われることを求めすぎる〕

  ・六四、顚に頤はるるも吉なり。虎視眈耽たり。その欲逐逐たり。咎なし。

    ―下の者に養われるが、大いに施しをするため吉である。虎視眈々とし大欲を抱くも咎めは無い。(道理から逸脱するも、正位の正応)

  ・六五、経に払れり。貞に居れば吉なり。大川を渉るべからず。

    ―道理から逸脱している(君子の位にいるが養えない)が、上の者に従うという道を進み続ければ吉である。大きな川を渡るような大事はすべきでない。(不正)

  ・上九、由りて(ヨリテ)頤はる。厲けれども(アヤウケレドモ)吉なり。大川を渉るに利し(ヨロシ)。

    ―全てから頼られ、全てを養う。責任が重く故に危ういが吉である。大きな川を渡るような大事をするのが良い。(頤の最上位で陽爻)

28.大過(タイカ)大過(沢風大過 タクフウタイカ)重すぎる任務

  性質

  大過は度が過ぎることを表す卦である

  巽の卦に兌の卦が乗っている卦で、陽爻が強く陰爻が弱過ぎて支え切れないという、度が過ぎている状態を表す

  また大象も沢に浸かる木々であり、木々をやがて枯死に至らしめる程の過度な水を示す

  

  ・大過は、棟(ムナギ)撓む(タワム)。往くところあるに利し。亨る。

    ―棟木がたわむ。進んでいくと良い。上手くいく。〔土台(初陰)と柱(上六)が弱く棟木がたわむ しかし道理に喜んで(兌)従い(巽)進むため、上のような卦辞になる〕

  

  ・初六、籍く(シク)に白茅(ハクボウ)を用ふ。咎なし。

    ―祭器の下に白い茅を敷くように(神に供物を捧げる時のように)慎み深い。咎めは無い。(陰爻で不正、慎みが過ぎる)

  ・九二、枯楊(コヨウ)、稊(ヒコバエ)を生ず。老夫その女妻(ジョサイ)を得たり。利しからざることなし。

    ―老人が若い妻を得て子を生育するように、枯れた柳の根から新芽が生じる。互いの過ぎたるを以って相互に補うためすべて上手くいく。〔九五と不応であるので初六と比(シタシム)、上が枯れていても下が生きていれば再び栄えることが出来る また陽爻の陰位で陽が過ぎず、過度の初めであるため、根は水に浸からずに新たな芽を生じさせることができ、下から上に栄えることができる〕

  ・九三、棟撓む。凶なり。

    ―棟木がたわむ。凶である。(陽爻の陽位で陽が過ぎる 卦の中央であるため棟木の象があるだけで、過度の極致というわけでは無い)

  ・九四、棟隆し(タカシ)。吉なり。它(タ)あれば吝なり。

    ―他の助けを受けないのならば、棟木は隆起してたわまずに吉である。しかし助けを受ければ恥をかく。(陽爻の陰位で陽に過ぎない しかし初六と正応で、初六の助けを借りれば陰に過ぎる 卦の中央であるため棟木の象があるだけで、これもまた過度の極致というわけでは無い)

  ・九五、枯楊、華を生ず。老婦その士夫を得たり。咎もなく誉れもなし。

    ―老婦が夫を得るように枯れた柳に花が咲くが、永く続くわけでは無い。咎めを受けることも無いが名誉も無い。〔九二と不応であるので上六と比(シタシム)、上が生きていても下が枯れていては栄えることは出来ない また陽爻の陽位で陽が過ぎ、過度の極まりであるため、深くまで水に浸かり根に新たな芽を生じさせることが出来ない〕

  ・上六、過ぎて渉り頂きを滅す。凶なれども、咎なし。

    ―身の程を過ぎて川を渡り、頭まで浸かる。凶であるが、仕方が無いことであり咎めは無い。(大過の極致で過度が過ぎるほどに弱い)

 

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